発電事業

 当工場では、1980年から廃棄物を処理する事業を始めています。その廃棄物を処理する中で、形状を問わず直接廃棄物を投入することができる燃焼炉と、セメントの生産で使用している焼成窯の排熱の双方を有効に活用し、効率的に電気を作り出す『廃熱発電設備:8,900kW』を1984年に設置しています。
 また、多品種の石炭及びコークスや重油等を比較的に低い温度で炉内で燃焼させるため窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)を低めに抑えることのできる『循環流動層型のボイラ(CFB)の発電設備:18,370kW』を1997年に設置しています。
 その後当社と住友商事で合弁会社(サミット明星パワー(株))を設立して、約7割程度の木質燃料と石炭の混焼による『CFBの発電設備:50,000kW』を2004年設置し、首都圏の大口需要家に電力を供給すると共に当工場にも電力を供給しております。
 また、電力会社に対して太平洋セメント(株)と電源開発㈱との共同出資会社で設立した糸魚川発電(株)が卸電力供給契約を締結し運営している、『CFBの発電設備:149,000kW』が使用する石炭を当工場が安定的に、供給しています。
 以上のように、当社は廃棄物や多品種の化石燃料を使用して、自社工場で使用する電力をまかなうと共に、その余剰電力を大口需要家に売電したり、電力を卸している会社に対して燃料を供給し、公共性の高い『電力の供給』と『(安定的な)廃棄物処理』で、「直接的に」かつ「間接的に」社会に対して大きく貢献しています。

1.廃熱発電設備について

 石油ショックを契機として注目を浴びることとなった「省エネルギー」に対応するため、当社は1975年以降、積極的にエネルギー低減対策を実施してきました。
 より一層のエネルギー低減を進めるため、キルン、クリンカクーラ排熱を利用する廃熱発電設備を1984年4月に完成させ、購入電力の低減に寄与しています。
 その発電設備の特徴は、
  1. キルン排ガスは、原料の乾燥用に使用し、余剰ガスを利用して発電。
  2. クリンカクーラ排ガスは温度が低く、利用効率が悪いため、助燃装置によって昇温して利用。
<ボイラ>
 形式:垂直ループ式強制循環型、蒸発量:28t/h、蒸気温度:343℃
<ボイラ>
 形式:垂直ループ式強制循環型、蒸発量:17.5t/h、蒸気温度:348℃
<タービン>
 形式:混圧復水形、出力:8,900kW、圧力:1.72MPa

2.石炭焚自家発電設備について

石炭焚自家発電設備:当社で使用する電力の半分ほどを賄う発電設備で、売電にも寄与しています。 工場内の電気の安定供給と電力コストの低減のため1997年に低品位の石炭が使用できる『循環流動層型のボイラ(CFB)の発電設備:18,370kW』を設置しています。燃焼温度が比較的低いためNOxの発生を抑え、炉内に吹込む石灰石で脱硫しSOxを低めに抑えることのできる環境に優しい低公害型です。燃焼にて発生する石炭灰は、総てセメント原料として回収処理できます。

ボイラ・タービン設備:石炭焚発電設備の建屋内にあるタービンです。<ボイラ>
 形式:自然循環単胴放射形、蒸発量:95t/h、
 蒸気温度:541℃
<タービン>
 形式:単気筒衝動式復水形、出力:18,370kW、
 圧力:9.83MPa


3.サミット明星パワー株式会社(バイオマス発電)について

 当社は、2002(平成14)年住友商事(株)と共同出資で「サミット明星パワー(株)」を設立し、同社が糸魚川バイオマス発電所を当糸魚川工場隣接地に建設、2005(平成17)年から営業運転を開始しました。
 当社は同社のバイオマス発電を通じてCO2の削減に貢献しています。
 当社で解体家屋等の建設廃材を破砕選別して燃料化し、発電所に供給。発電所では、燃料の7割程度をこの木質系バイオマス(残りは石炭でカロリー調整)でまかないます。
 発電能力は50,000kWで、日本最大級のバイオマス発電所です。発電した電力は、住友商事の関連会社であるサミットエナジー社を通じて首都圏の大口需要家に売電、また一部は当社のセメント製造電力として利用します。

サミット明星パワー社:バイオマス燃料を溜めておく設備(写真左側)より抽出された木屑を石炭と混焼し、国内最大級の発電能力を誇ります。<ボイラ>
 形式:循環流動層式、蒸発量:196t/h、
 蒸気温度:513℃
<タービン>
 形式:単気筒復水形、出力:50,000kW、
 圧力:10.0MPa